心電図異常を指摘されたら
心電図に異常を指摘された際には、精密検査を受けることが大切です。
以下では、心電図検査でわかること、異常を指摘された場合の精密検査の内容について、説明します。
心電図検査とは
心臓は、心筋に電流が伝わることで心臓全体が刺激され、拍動を起こして全身に血液を送っています。心電図検査では、体表面にセンサーを付け、この心臓の電気的活動が規則的か、心臓全体に伝達されているのかなどを確認します。
心電図異常が起きた時の心臓の様子
心電図検査で異常が指摘された場合は、電流が心臓に正常に伝達されていなかったり、心臓の拍動が不規則で脈拍のリズムが乱れている可能性があります。
心電図異常の原因は様々で、病気でなく治療不要なケースである正常亜型や、病気が原因のケース、不整脈のケースなどがあります。
病気ではなく、治療不要なもの
- 幼少期からある右脚ブロック
- 呼吸性洞不整脈(脈の間隔が呼吸の関係で一定に保たれなくなった状態で、若年層に多くみられる)
治療が必要になることもある場合
- 心房期外収縮
- 心室期外収縮
治療や精査が必要な場合
- 完全房室ブロック
- 心房細動、心房粗動
- 心筋虚血、心筋梗塞、狭心症
不整脈は自覚症状がなくても、突然死など深刻な状態を招く恐れがあります。心電図検査で精密検査を指摘された場合は、必ず循環器内科を受診してください。
心電図異常と同時に見られる症状
成人の正常な脈拍は、1分間に60〜100回とされます。この脈拍が50以下の状態を徐脈と言い、40以下になると息切れやめまい、立ちくらみなどの症状が現れます。一方で、100以上を頻脈と言い、120以上では動悸や息切れ、胸痛やめまい、失神などの症状が現れます。
また不整脈は種類や程度により症状も異なるため、脈が不規則になったり不快感や疲れなどの症状が見られた際にも注意しましょう。
期外収縮は最も多く見られる症状ですが、特に危険性はありません。一方で、失神やふらつきを起こす重篤な不整脈では、頻脈性不整脈では心室細動、持続性心室頻拍、トルサード・ド・ポワンツなどが、徐脈性不整脈では完全房室ブロック、洞不全症候群などがあります。
また、心臓が血液を全身へ送れずに息切れや呼吸困難などの心不全症状が現れたり、心臓内に血栓ができて脳梗塞の危険を伴う場合もあります。このような症状が見られた際には、循環器内科までご相談ください。
心電図異常時の検査方法
心電図で異常が指摘された際、それが心臓の疾患によるものかどうかを確認するには、24時間ホルター心電図、心臓超音波検査や、必要に応じてCT・MRIを用いて検査することがあります。心臓病での死亡数は年々減少傾向にありますが、心電図で異常が指摘されなかったとしても、いまだに死因の上位に入っているため、注意が必要です。
心電図は心臓病などを早期発見する上で有効なため、心電図異常を指摘された場合には循環器科を受診するようにしましょう。
心疾患を予防するためにできること
心疾患は生活習慣が起因することが多いため、予防には疲労やストレスの解消、適度な運動、適切な睡眠、脂肪分やコレステロールの高い食事を控える、禁煙や禁酒を心がけるなど、日頃の生活習慣を改善することが有効です。このほかにも高血圧、糖尿病、動脈硬化、肥満、心臓病などの疾患も心疾患を起こす可能性があるため、注意しましょう。
また、心疾患は自覚症状がない場合も多く、定期的に健診を受けて心臓機能を確認することも重要です。
成人の脈拍数は通常1分間に約60~100回ですから、普段から自身の脈拍数を測定し、数値が正常範囲内か、脈拍が規則的かどうかを確認することも大切です。