胸痛・背中の痛み

胸痛・背中の痛みの原因

胸や背中の痛みは様々な原因によって生じます。痛みは、筋肉や骨格などの部分に由来するものと、内臓に由来するものがありますが、中には命の危険を伴うような疾患の可能性もありますので、注意が必要です。

胸痛が見られる病気

  • 胸膜炎
  • 心膜炎
  • 心筋梗塞
  • 肺血栓塞栓症
  • 自然気胸
  • 帯状疱疹
  • 肋間神経痛
  • 肋骨骨折

など

背中の痛みが見られる病気

  • 大動脈解離
  • 膵炎
  • 悪性腫瘍

など

肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)

肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)肺血栓塞栓症(エコノミークラス症候群)とは、下肢や心臓でできた血栓が肺動脈に詰まった状態の疾患です。発症すると、突然の呼吸困難や激しい胸の痛みなどを生じます。
診断は胸部造影CT検査によって、血栓の有無と閉塞部位を確認します。肺血栓塞栓症は、肺の血流や呼吸機能が広範囲に渡って阻害されてしまうため命の危険もあり、緊急対応が必要になります。
エコノミークラス症候群という名前の由来の通り、同じ姿勢を長時間継続することで、下肢の静脈に血栓ができることが原因です。飛行機だけでなく、日常生活でも起こる可能性があるため、デスクワークなどで長時間同じ姿勢を保つ生活をしている方は、こまめに歩いたり下肢のマッサージをするなどの予防が大切になります。

帯状疱疹

帯状疱疹帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって皮膚に痛みが生じたり水疱が現れる疾患です。発症すると、肋間神経の左右どちらか、あるいは両側に鋭い痛みが生じます。水疱などの皮膚症状は、痛みが生じてから数日後に現れます。
原因は神経根に潜伏していた帯状疱疹ウイルスが、疲労の蓄積や過度のストレスなどによって免疫力が低下したときなどに活性化することによります。また、高齢者の場合は、内臓悪性腫瘍の可能性も考慮する必要があります。
治療は、抗ウイルス薬(内服、外用、注射)と、痛みに対する鎮痛剤になります。帯状疱疹そのものは2週間程度で改善しますが、治まったあとも帯状疱疹後神経痛が継続することもあるため、治療が長期間に及ぶこともあります。
また、漢方では帯状疱疹の原因を気虚(気力が低下している状態)と捉え、治療では補中益気湯を使用することがあります。また、帯状疱疹後神経痛に対しては、体を温めることで痛みを軽減させる桂枝加苓朮附湯などの鎮痛系漢方薬を使用します。

肋骨骨折

肋骨骨折を起こすと、呼吸をするたびに骨折部位に痛みが生じます。また、骨折部位の圧痛や腫脹・内出血なども現れます。
外傷によって肋骨骨折を起こした場合には、肋骨の胸部レントゲン検査で骨折を確認することができますが、原因がわからない場合は、胸部レントゲン検査では肋骨骨折の発見は難しいとされます。なお、骨粗鬆症が進行した高齢者では、自分の体重で肋骨骨折を生じることもあります。

肋間神経痛、心臓神経痛

肋間神経痛や心臓神経痛とは、特に体の異常が確認されないにも関わらず、胸部が痛む疾患です。発症すると刺すような鋭い痛みが生じますが、多くは短時間で治まります。
原因はストレスや自律神経失調症が起因すると考えられており、特に治療の必要はありませんが、強い痛みのために日常生活に支障をきたす場合には、NSAIDsなどの鎮痛剤による治療を行います。


胸痛・背中の痛みと同時に見られる症状

左腕のしびれ

狭心症や心筋梗塞を発症すると、胸痛とともに左腕のしびれが生じることがあります。これら症状は、胸痛以外にも様々な症状が現れ、特に左腕のしびれを起こすことが多いとされます。
左腕にしびれが生じた際には、これらの疾患の可能性がありますので、お早めに高度医療機関を受診してください。

肩が痛い

狭心症や心筋梗塞の副症状として、肩の痛みが生じる場合もあります。肩以外にも、首、背中、あごなどに痛みが生じることもあります。また、心臓に問題がなくても発症する心臓神経症でも、これら症状を起こすことがあります。
肩痛を発症した際には、緊急性の高い疾患の有無を確認する必要がありますので、お早めに高度医療機関を受診してください。

狭心症・心筋梗塞

息苦しい・呼吸困難

胸痛と息苦しさ・呼吸困難を併発し、これらの症状が徐々に悪化している場合は、狭心症、心筋梗塞、心不全、気胸、胸膜炎、肺血栓塞栓症といった緊急性の高い疾患の可能性が高いです。お早めに高度医療機関を受診してください。

ひどい咳

胸痛と激しい咳が併発している場合は、心疾患や胸膜炎、肺血栓塞栓症といった深刻な疾患を発症している可能性があります。これら疾患は緊急性が高いため、早急に受診してください。
なお、画像検査を行っても異常が見つからなかった場合は、骨、筋肉、神経などの疾患が考えられます。また、骨粗鬆症を発症している場合では、度重なる咳によって脆くなった肋骨が骨折したりやひびを生じていることもあります。


胸の痛み症状患者様のご来院エリアマップ

胸の痛み症状患者様のご来院エリアマップ当院では小山市はもちろんですが、栃木市、下野市、真岡市、筑西市、結城市、古河市、野木町にお住いの方からも胸の痛みなどの症状の診察や検査、治療目的でご来院して頂いております。当院は、経験豊富な循環器専門医が診察を行っております。胸の痛みや動悸でお悩みの方はお早めに当院へお越しください。